教育豆知識

《代表コラム80》スポーツの歴史

私たちが日々親しんでいるスポーツの定義は
「激しい身体活動」「競争」「遊び」を擁するものであると
以前のコラムでもお伝えしてきました。
このようなスポーツというものはどこから生まれたのか
今回からは《スポーツの歴史》を見てみようと思います。
歴史を見てみることで、”新たにスポーツに興味を持つきっかけ”になってくれれば幸いです。

スポーツの元となるような活動は先史時代から行われていたようです。
直接的な証拠は乏しいものの、フランスのラスコー洞窟や、アフリカ、オーストラリアなどには
3万年以上前の先史時代の洞窟壁画があり、 これらの遺跡から当時スポーツに類似した
何らかの活動があったことが推定されています。
そんなに昔からあったなんて驚きですね!

人間が動物と分化したのちに、狩猟採集をするようになり
狩猟採集によって生活を成り立たせることができれば
”余暇の時間”でスポーツに取り組むようになったとされています。

近年の経済生態学の研究から、未開社会における成人男女の狩りと採集活動に費やす時間は1日平均3時間であり
残りを”余暇の時間”に当てていたと考えられています。
彼らは人類史上最も余暇に恵まれた人たちであり
経済生態学者のサーリンズはこの社会を《「最初の豊かな社会」》と呼んだとされています。

そこから古代ギリシャ時代、中世と時代を経ていく中で
《ショーとして観客を魅了するスポーツ》と《自らがプレイすることを楽しむもの》ができてきます。
現代のスポーツとはかなり違うものだったようですが
共通するのは《余暇を楽しむ》ということです。
生活が成り立ち、余裕が出た時間をスポーツを楽しむことに充てたということですね。
そしてそういった余暇の時間を楽しむことが豊かさにつながると言われています。

現代に置き換えた時も、スポーツをすることは、生きるために必須なことではないかもしれませんが
スポーツを楽しむことでプラスの物を得られることは現代でも変わりません。
せっかく生まれた”余暇の時間”なのでしたら
《豊かな生活を送るためにスポーツを楽しむこと》は素晴らしい時間になりそうですね。
子どもたちの豊かな生活をつくる一つの可能性として
今後もスポーツの楽しさ・魅力を伝えていきたいです。

代表 伊藤一哉