教育豆知識

《代表コラム97》子どもたちの苦手克服のために~とび箱編~

今回は子どもたちが苦手と感じる種目の一つである”とび箱”を学んでいきましょう。
人間はさまざまな恐怖を感じますが、そのなかでも圧倒的な恐怖を感じるのは“高さ”に対してです。
とび箱は、その高さへの挑戦となるため、”恐怖を感じている以上は絶対にとべません。”
「お父さん、お母さんはとべたのになぁ〜」というのは、皆さんが上手だったからです。
自分の子だからといって、上手にとべるとはかぎりません。

まずは《恐怖を感じないポイント》をつかむことからお教えします。
特にとび箱の場合、各ご家庭にとび箱がある状況というのは少ないですから
とび箱がなくてもうまくなるポイントを解説していきます。

まず、とび箱の恐怖をなくすために、《子どもがとぶ高さを登ってみる》ことです。
あなたは子どもの頃、高い木によじ登ったことがあるでしょうか。
今の子どもたちは木に登るということをしません(むしろ危険だからやらせないという親が多いと思います)。
”お子さんが木登りをしているのなら、正直この練習は必要ありません。”

さて、登ったら今度はそこから”立ったままとび降りてみます。”
もしとび降りるのが恐ければ、お尻から降りることからでもかまいません。
登って降りる、この単純な繰り返しを行うだけで
箱をとぶという”恐怖感”はなくなります。
慣れてきたら”ジャンプしてとぶ”という動作を取り入れてください。

そして、とび箱でもっとも大事なのは《踏み切り》です。
踏み切り板(ロイター板)を両足をそろえて力強く踏み切ることが、より高いとび箱をとべる要素にもなります。
とび箱が苦手な多くの子どもは、目の前にあるとび箱に恐怖を感じてしまうから止まってしまうのであって
それがなければ踏み切り板目がけて勢いよく走ることができます。
まずはとび箱(高い障害物)がないところで、同じ地点を両足でジャンプする練習をしてみてください。
この感覚が身についてしまえばOKです。

最後に《とび箱のどの位置に手をつくか、足を広げてタイミングよく前に持っていくか》
などは、実際のとび箱で体感するしかありません。
《最後は子どもの勇気》だけです。
あまり技術的な解説をしてもそれは大人が理論としてわかることであって、本当のところは役に立ちません。
最後の最後、子どもたちが勇気を振り絞れない時は
皆さんが目の前でとび箱を跳ぶ姿を魅せてあげてください。
一緒に乗り越える姿を子どもたちに魅せてあげるのです。
それがかっこいい大人の姿だと思います。

代表 伊藤一哉