前回は《違いを強みと捉える》というテーマでお話ししました。
「他人と違うことは自然なこと」という考えに、少しずつ共感していただけたでしょうか。
さて今回は、似ているようで実はまったく違うテーマです。
それは【違いを認めることと、なんでも許すことの違い】です。
「それがその子の個性だから、いいじゃないか」
そう思える心はとても大切です。
しかし、すべてを個性として許してしまうと、社会で生きるための土台が揺らぎます。
例えば
⚫︎挨拶したくないからしない
⚫︎自由に行動したいから仲間とは協力しない
これらも“その人らしさ”と捉えることはできます。
このままでは人とのつながりや社会での信頼を築くことが難しくなってしまいます。
【個性は、秩序の中でこそ輝く】
だからこそ、大人が一定の基準や共通のルールをつくることが大切です。
⚫︎人を傷つけない
⚫︎約束は守る
⚫︎自分から挨拶する
こうした「人とつながるための大切なルール」は、例外なく守らせる。
そのうえで
⚫︎考えの違いを否定しない
⚫︎能力の差を責めない
⚫︎自ら挑戦したことを認める
これが、子どもの個性を本当に育てる関わり方ではないでしょうか。
「なんでもいいよ」ではなく
「ここまではいいよ」という明確な線引きをする。
その線引きは、【子どもを縛るためではなく、自分らしく育つための安全柵】です。
私たち大人がその環境を整えることで、
子どもたちは《自分らしさ》を大切にしながら、《社会で生き抜く力》を育んでいけるのではないでしょうか。
代表 伊藤一哉