子どものどの力に運動適正能力があるからと言って、適正に合ったスポーツをさせることは必ずしも賢明ではありません。
なぜなら、一流アスリートを育てることと、子どもが運動好きになって運動能力が伸びることとは大きな違いがあるからです。
むしろ逆で、子どもに無理に1つのスポーツをさせることで、その子どもが運動嫌いになってしまうこともあるからです。
一流アスリートを育てる親は、もともとその人が一流アスリートであったりするからこそ、全面的なサポートを惜しまずにでき、また挫折しそうなときでも、経験からわかる適切な指導ができるのです。
あなたが一流アスリートでなくても、金銭的、精神的なサポートが必要になります。
それこそ相当な覚悟が必要です。
ですから、子どもが心からそのスポーツが好きになること、寝ても覚めてもそのスポーツに向かう子どもになるように見守ることが親の役目だと思っています。
さて、そうした思いで子どもを見ると、子どもがどんな運動が好きなのかを考えることになります。
そこで質問です。
「一般的に、子どもが大好きな運動というものをご存知ですか?」
答えは「遊び」です!
遊ぶことは運動につながります。
フランスの哲学者ロジェ・カイヨワは遊びの重要性を『遊びと人間』という本の中で説いています。
彼は「遊び」を「アゴーン」「アレア」「ミミクリー」「イリンクス」の4種類に分類しています。
アゴーン:競争・・・かけっこ、鬼ごっこ、試合など、相手との勝負を競う遊び
アレア:偶然・・・じゃんけん、ルーレットのような、結果の予測ができない遊び
ミミクリー:模擬・・・もの真似、ごっこ遊びなど、見たものになりきる遊び
イリンクス:眩暈・・・ブランコ、回転遊びなど、体の制御が難しい遊び
どれも、家庭もしくは近隣の公園で可能な遊びです。
しかも、親子で遊べばコミュニケーションを取ることも可能な遊びです。
子どもの運動能力を伸ばすためには、家族の温かい支えから生まれる可能性が十分にあるということです。
代表 伊藤一哉