人間はさまざまな恐怖を感じますが、そのなかでも圧倒的な恐怖を感じるのは“高さ”に対してです。
とび箱は、その高さへの挑戦となるため、恐怖を感じている以上は絶対にとべません。
「お父さんはとべたのになぁ〜」というのは、お父さんだからです。
自分の子だからといって、子どもも上手にとべるとはかぎりません。
ですから、ここでは恐怖を感じないポイントをつかむことからお教えします。
とくにとび箱の場合、実際にとび箱がある状況というのは少ないですから、とび箱がなく
てもうまくなるポイントを解説していきます。このポイントで攻略すれば、自然とジャンプ力もアップしますよ。
ここで解説することはとてもシンプルです。
とび箱は初めての授業でいったん恐怖を感じてしまうと、それをなかなか克服できません(恐怖のイメージを持ってしまいます)。
ですから、幼稚園やまだ体育の授業でとび箱を行っていない低学年のお子さんをお持ちの方は、事前に教えておくと、とび箱を見たときに楽しいものだと感じます。
まず、とび箱の恐怖をなくすために、子どもがとぶ高さを登ってみることです。
あなたは子どもの頃、高い木によじ登ったことがあるでしょうか。
今の子どもたちは木に登るということをしません(むしろ危険だからやらせないという親が多いと思います)。
お子さんが木登りをしているのなら、正直この練習は必要ありません。
というよりもむしろ、それほど活発なお子さんならとび箱は問題なくクリアしてしまうのでしょう(笑)。
さて、登ったら今度はそこから立ったままとび降りてみます。
もしとび降りるのが恐ければ、お尻から降りることからでもかまいません。
登って降りる、この単純な繰り返しを行うだけで、箱をとぶという恐怖感はなくなります(ジャンプしてとぶという動作を取り入れてください)。
また、とび箱でもっとも大事なのは「踏み切り」です。
踏み切り板(ロイター板)を両足をそろえて力強く踏み切ることが、より高いとび箱をとべる要素にもなります。
とび箱が苦手な多くの子どもは、目の前にあるとび箱に恐怖を感じてしまうから止まってしまうのであって、それがなければ踏み切り板目がけて勢いよく走ることがで
きます。
まずはとび箱(高い障害物)がないところで、同じ地点を両足でジャンプする練習をしてみてください。
この感覚が身についてしまえばOKです。
あとは、とび箱のどの位置に手をつくか、足を広げてタイミングよく前に持っていくかなどは、実際のとび箱で体感するしかありません。
ですので、最後は子どもの勇気だけです(あまり技術的な解説をしても、それは大人が理論としてわかることであって、本当のところは役に立ちません)。
一番は、あなたが実際に子どもの前でやってみせるのがいいのです。
代表 伊藤一哉