教育豆知識

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《代表コラム94》子どもたちの苦手克服のために~逆上がり編~

2021.10.31

今回から具体的に各種目の攻略法に入っていきます。
まずは子どもたちの苦手な技の代名詞ともいえる《逆上がり》です。

2004年10月1日の朝日デジタルの記事によると、埼玉県が小学4~6年生を対象に
《逆上がりのできる子どもの割合》を調査した結果を載せていました。
それによると、小学6年生で逆上がりができる子の割合が、男子71.1%、女子70.1%。
1984年時に行われた調査では男女ともに90%以上の子ができていましたから
実に20%以上の子が逆上がりができなくなってしまったわけです。

全国的に見て、逆上がりができない子どもの割合は年々増えています。
近くの子どもたちを見てみても、実際に逆上がりができない子は多いのではないでしょうか。
しかし、逆上がりは《コツさえつかめれば難しいものではありません。》

まず、逆上がりができるようになる前提条件として
《鉄棒にぶら下がるための握力》が必要です。
逆上がりは小学3年生くらいでできるようになるのが目安ですが
幼稚園の頃から鉄棒に慣れ親しんでおくことは大切です。
とくに最近の幼児は、”鉄棒にぶら下がることができない子、途中で鉄棒から手を放してしまう子”が多くなっています。
まず鉄棒にただぶら下がるだけの運動でもかまいません。
繰り返すことで握力がついてきて、身体を支える力が身につきます。

次に大切なのは、《鉄棒を握る際の握り方》です。
実は握り方(順手・逆手)に決まりはなく、《子どもが握りやすい》ほうでやればいいのです。
その方がしっかりとした力が入りやすいので
子どもたちに聞いて、やりやすいほうを選ばせてあげてください。

そして、次が一番のポイントですが、《蹴り上げた足が鉄棒の上までくる練習》を行うことです。
《これができなければ逆上がりはできません。》

逆上がりに取り組む際、蹴り上げる足を「蹴り上げ足」、地面を踏む足を「踏み込み足」と言いますが
《蹴り上げ足は子どもの足が高く上がるほう》にします。
そして、蹴り上げ足を鉄棒に近いところまで上げていく練習をします。
”前方に足を蹴り出す”のでも、”上方に蹴り上げる”のでもなく、”鉄棒の上の部分に蹴り上げます。”
感覚としては、《踏み込む際にあった頭の位置に蹴り上げる感覚》で行うことです。
ここで、蹴り上げる際に重要なのは、《握っている手が鉄棒の近くから離れない》ことです。
ここで最初にお伝えした、”握力や握り方”が重要になってきます。

最後に、手を鉄棒の近くで握ったまま、蹴り上げ足も上がるようになったら
《体を丸めておへそを鉄棒に近づける》練習をします。
このときに、”大人の補助”が必要です。
《蹴り上げ足の膝の裏と腰からお尻あたりの2カ所を支えて回してあげます。》
蹴り上げ足が鉄棒に回ってくるようになったら補助を外し
子どもが回る感覚をつかんできたら、体を支える補助の力も弱めていきます。
以上のポイントを押さえれば、必ず逆上がりはできるようになります。

子どもはできていないとあきらめようとするかもしれませんが
ポイントごとに上達していることを伝えてあげれば、少しずつでも進歩していると感じます。
ぜひ楽しみながら取り組んでみてください。

代表 伊藤一哉